MA運用のよくある課題とは?成果を出すためのポイントもわかりやすく紹介!

マーケティングオートメーション(MA)導入を検討し始めた人が考えることの一つが、「導入後、運用を始めてから難しさに気付いたらどうしよう」といったものです。
このような悩みはMAの運用を始める前にはよくあるものの、しっかりとした準備をすれば、実際に起こることはありません。
しかし、このしっかりとした準備というものが難しいため、「MAの導入に失敗した」という企業がいくつか存在するのです。

そこで今回は、MAを導入し、運用を始めてからよく起こる課題をご紹介します。
これを読み、理解することで、運用を始める前に課題の対策を行うことができ、MAの効果をより早く発揮させることが可能となります。

MA運用のよくある課題

まずは、マーケティングオートメーション(MA)導入後、運用を始めてから良く起こる課題を8つご紹介します。

MA運用についての知識と人材不足

まず、運用前に絶対に解決しておかなければならない課題が、このMA運用についての知識と人材不足になります。

この2つは、運用前、もっと言えば導入前に解決しておくべき課題であり、ここが解決していないと導入を決定することも不可能であるとまで言えます

MA運用についての知識がない上、何かしらのサポートも受けずに、勘を頼りにうまく運用していけるほど、MAというツールは簡単に利用できるものではありません。
さらに、必要となる知識はMAの運用についてのみではなく、マーケティングについての知識もなければいけません。

また、人材不足については言うまでもありませんが、様々な業務を自動化してくれるMAにも、一定の人手は必要となります。

ツールに必要な機能がない

運用以前の問題にはなってしまいますが、LPやフォームの作成機能、スコアリング機能など、ツールによって機能が大きく異なるものは、事前に情報を入れた上で導入して運用を始めないと、必要な機能がツールに備わっておらず、行おうとしていたマーケティング施策にMAを活かすことができなくなってしまう場合があります

また、ツールによっては、一部コーディングが必要となるものもあります。
そのため、コーディングのスキルがなければ、外部に頼るか、スキルを習得しなければツールを活かすことができません。

ペルソナ・カスタマージャーニーの設定ができていない

ペルソナとカスタマージャーニーがしっかりと設定されていなければ、セールスやマーケティングを当てずっぽうで行っているのと同じ状態になってしまいます

例えば、まだまだ商品についての興味の度合いが低いリードに対して、すぐにセールスをしてしまったり、逆にすでに商品について十分な知識と興味があるリードに対し、商品の紹介資料を送付してしまったり、ということになりかねません。

適切なタイミングで適切な情報を提供することができないと、最悪の場合、相手に悪印象を与えてしまいます。

そのため、MAの運用を始める前に、しっかりとペルソナとカスタマージャーニーを設定して、適切なタイミングと情報がどれなのか把握しておきましょう。

リードのランク設定

▲リードのランク設定の例

リードのランクとは、簡単に言えば、リードを見込み度合いごとにランク付けしたものになります。
これを見ながら、どこがボトルネックとなってリードナーチャリングがうまくいっていないのかを探ります。
そのため、リードのランク設定をしないまま、MAの運用を始めてしまうと、PDCAを回すことができず、マーケティングの改善スピードが遅くなってしまいます

また、リードのランクが変わる基準が定まっていない場合も、どこがボトルネックとなっているかの把握が困難になるため、マーケティングの改善を効率的に行うことができません。

コンテンツ不足

MAの運用を始めてから、起こる課題の中で、多くの企業が課題と感じるのがコンテンツ不足です。

マーケティングオートメーションの特徴として、オウンドメディアやホワイトペーパーなど、Webコンテンツが充実していなければ、効果をうまく発揮できないということがあります
そのため、一定数以上のコンテンツが必要となりますが、コンテンツを制作するためには、工数がかかるため、多くの企業がその作成に苦労しています。
それにもかかわらず、コンテンツ制作のアウトソーシングをしない企業も多くなっています。

MAは、Web上でのリードの行動を可視化することができますが、コンテンツが少なければリードがWebに訪れる回数は減り、可視化できるデータもごくわずかなものとなってしまいます。

また、メールマーケティングなどのマーケティング施策をする際には、リードの見込み度合いに応じて提供する情報を出し分けなければいけません。
しかし、コンテンツの量が不足していると、不適切な情報をリードに渡すことにつながり、最悪の場合リードに対して不快感を与えてしまう可能性すらあります。

こういった事態を起こさないためにも、一定数コンテンツの量が必要なのです。

属人化した、または人によって自由に運用してしまう

MAについての操作マニュアルなどを用意することなく、属人的な運用をしてしまうと、作業の引き継ぎなどをする際に非効率なことをしなければなりません
属人化した知識などは、様々な方向からの意見などを取り入れることが難しくなるため、よりよいものになりづらく、ミスが起こる可能性も高くなってしまいます。

また、MAを運用する際には、項目名などの名前を決定するという作業が非常に多くなりますが、この作業を人それぞれ自由に行ってしまう、といったことも運用後に気付く課題としてよくあります。

人それぞれ自由に名前を決定してしまうと、キャンペーンの効果検証などで不具合が起こってしまいます。

具体的にメールマーケティングを行った場合について考えてみます。

新サービスを紹介するメールを、「新サービスのお知らせ 2021年/9月」、「新サービス!〇〇のご案内!」、「新サービスご紹介メール」など、それぞれ自由に決めた件名で送信したとします。

見ての通り件名がバラバラで、規則性なども見られないため、目的のメールを探すのに非常に大きな手間がかかってしまいます。

ツールと他のアプリなどとの連携ができていない

ツールと先に導入していたアプリなどとの連携ができていなければ、様々なツールやアプリなどで情報を個別に管理する必要がでてきます
そうなってしまうと、どこで何を管理しているのかいちいち把握しなければいけない上、進捗の確認などをそれぞれのアプリで行わなければならず、大きな手間がかかってしまい、非常に非効率になってしまいます。

MAと分析ツールの連携ができていない

MAを運用する際に、Googleアナリティクスなどの分析ツールと連携されていなければ、自社のWebサイトへの流入の何がボトルネックとなっているのかが把握することが難しくなってしまいます

そうなると、どこを改善すべきなのかが分かりづらくなり、PDCAを効率的に回すことが不可能になってしまいます。

MA運用のポイント

ここからは、マーケティングオートメーション(MA)を効果的に運用するためのポイントをご紹介します。
今回のポイントはどれも他部署と協力しながら行わなければ大きな効果は得られません。
そのため、主にマーケティング部門と営業部門が連携しながら行うことをおすすめします。

MA導入の目的の明確化

まずは、MA導入の目的を明確化しましょう。
これにより、必要なスキル、コスト、人的リソースなどがわかり、そこへ向けて準備を進めることができるようになります。

導入前に目的を明確化していなければ、何が必要なのかが全くわからないため、MAを効果的に運用することができません

適切なツールの選択

MAは、様々なベンダーのものがあり、それぞれ独自の特徴を持っています
そのため、自社の目的にとって、一番適切なツールの選択をすることがまずは重要となります。

また、多くの企業がCRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)などを導入していますが、これとの連携面などでも適切なツールは変わってくるため、注意が必要となります。

ペルソナ・カスタマージャーニーの設定

ペルソナとは、サービスや商品の典型的なユーザーのことであり、同じような意味であるターゲットよりも詳細に設定することが一番の特徴です。
そして、カスタマージャーニーとは、ペルソナの行動や思考、感情などを時系列順に可視化したもので、顧客が商品の認知からどのような過程を通って購入に至るのかを詳細に表したものになります。

マーケティングにおけるペルソナとは?基礎知識から作成方法まで解説!

マーケティング用語として利用され、耳にすることは多いものの意味がハッキリしない言葉の一つである「ペルソナ」ですが、正しい意味をご存じでしょうか。
多くの人が「ターゲット」と同じような意味で利用されていますが、実はこの2つには違いがあります。

この記事では、ペルソナの基本的な知識からターゲットとの違い、そしてペルソナ作成の重要性と作成手順についてもご紹介します。

カスタマージャーニーとは?作成する意味と重要性、ジャーニーマップの作成方法まで解説!

顧客のニーズが多様化するに連れて、マーケティングの重要性とその難易度はどんどん高くなってきています。
そんな中で注目度が高まってきている「カスタマージャーニー」という言葉をご存じでしょうか。

この記事ではこのカスタマージャーニーについて基本的な意味から、なぜ重要なのか、そしてカスタマージャーニーマップの作成手順について解説します。

これらを設定することで、具体的なマーケティング施策が生まれやすくなり、具体的なマーケティング施策があれば、MAがどのような場合で活躍するのかも見えてきます

さらに、カスタマージャーニーを設定することで、リードとのタッチポイントと、その時の感情まで予測されるため、どのようなコンテンツが必要となるのかも分かるようになります。

マニュアル、ルールの設定

ここで指すマニュアルとは、これを読むことでミスなく運用を始めることができるようなものの完成を目指します
つまり、自社にとって最適な使いやすい方法をまとめた、独自のマニュアルを作成することが求められます。

そして、ルールの設定とは、コンテンツやキャンペーンなどの名前の規則をルール付けることを指します。
細かなルールを設定し、これを守ることでマーケティング業務は格段に効率的になります。

サポートの利用

MAのベンダーによっては様々なサポートを用意しているところもあり、これを利用することでMA運用についての知識や、eラーニングなどを利用してトレーニングを行うことができます。

中にはレベルに合わせたトレーニングを行ってくれるなど、柔軟な対応をしてくれるベンダーもありますが、導入前からしっかりと相談に乗ってくれるMA運用代行などの外部のサポートを受けることも一つの手です。

MA運用代行は、MAの知識だけでなく、マーケティングについての知識を兼ね備えているため、効果的なMAの活用方法を知っています。

MAの知識がないまま運用を始めることは不可能であるため、社内にスキルがない場合、何かしらのサポートを受けることが必要になります

まとめ

今回は、マーケティングオートメーション(MA)運用時によく起こる課題と効果的に運用するためのポイントを紹介しました。

MAの運用で早期から成果を出すためにも、導入の前にMAについての知識を入れ、必要な準備をしっかりとするようにしましょう。
また、それが困難な場合はMA運用代行などの外部のサポートも検討してみましょう。

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