現在では様々なツールが市場に出回っており、その中でも「マーケティングオートメーション(MA)」という言葉を聞くことも多くなりました。
MAには、国産のものから海外のものまで様々なものがあり、無料で一定の機能が利用できるものから毎月100万円かかるものまで多種多様のものが存在します。
今回の記事ではMAについて、MAの基礎的な知識から生まれた背景、さらには導入や運用の事例紹介や注意点など幅広くご紹介します。
MAとは?
マーケティングオートメーション(MA)を簡単に説明すると、Web上のお客様の行動を可視化でき、マーケティング活動の自動化、そして効率化をしてくれるツールとなります。
機能の一部を紹介すると、自社のホームページのどのページを、誰が、いつ、何秒見たのかが分かるようになります。
そのため、見込み客が自社の商品やサービスにどの程度の興味を持っているのかを把握できるようになり、より効果的なアプローチが可能となります。
また、一定のシナリオを設定することで、メールの送信などを自動化でき、マーケティングの面倒な部分を一手に引き受けてくれます。
現代では、インターネットとスマートフォンの普及なども手伝って情報化社会となり、いつでも誰でも情報が得られるようになりました。
それにより、見込み客のニーズは多様化し、その変化するスピードも高速化してきました。
その影響で、見込み客に対し、最適なタイミングで最適なアプローチ方法を行うことが難しくなってきています。
そこで、見込み客の行動が分かるようになり、さらに一部のマーケティング活動を自動化してくれるMAの需要が高まっているのです。
また、テクノロジーの進化とともにMAができることの幅は広がってきており、その使用方法はどんどん複雑になってきています。
そのため、MA運用代行などの「MAのプロフェッショナル」の需要も高まってきているのです。
MAが生まれた背景
マーケティングオートメーション(MA)が生まれたのは1990年代のアメリカであると言われています。
アメリカは日本と違い国土がとてつもなく広いため、確度の低い商談に何度も出向くことができません。
そこで、より確度の高い見込み客を選んだり、商談やナーチャリングなどをオンラインだけで済ませるためにMAやインサイドセールスが普及したとされています。
見込み客ナーチャリングについて詳しく知りたい方は別の記事を用意していますので、下のリンクからどうぞ!
リードジェネレーション・ナーチャリングとは?
リードのランクやサスペクト・プロスペクトも解説!
BtoBマーケティングでは、多くの企業が実践している、「リードジェネレーション」「リードクオリフィケーション」「リードナーチャリング」。この記事では、これらの言葉の意味について解説したあと、リードナーチャリングにとって非常に重要となるリードのランク分けについても解説します。
MAが普及した背景には、もう一つ、顧客のニーズの多様化と変化するスピードの高速化があります。
これまでは、顧客が情報収集できる場所は、テレビや新聞、ラジオなどのマスメディアに限られており、一定の方法で情報を発信することで、マーケティングの効果を得られました。
これは、情報が限られていたため、比較検討の段階が今よりもずっと短く、現代と比べて早いスピードで購入に至ることで起きていました。
しかし、現代ではいつでもどこでも情報を得ることができます。
そうなってしまうと、顧客の比較検討の段階は長引き、アプローチを適切な方法・タイミングで行わなければ、逆に悪印象を与えてしまうような状況になっています。
この、「顧客のニーズの多様化とその変化のスピードの高速化」に対応することができるツールが、MAなのです。
MAの機能
マーケティングオートメーション(MA)は、多種多様な機能があり、さらに、ベンダーによっても特徴的な機能が多くあります。
その中でも主要な機能は6つあります。
6つの主要機能については、別記事で詳しく解説しているため、ここではそれぞれを簡単にご紹介します。
マーケティングオートメーション(MA)とは?主要機能6つを紹介!
マーケティングツールの導入が一般的になったこともあり、様々なマーケティングの現場で名前を聞くようになったマーケティングオートメーション。
機能の多さから理解するのが難しいツールの一つでもあります。
この記事では、MAとも呼ばれるマーケティングオートメーションの主要機能を6つに絞ってご紹介します。
メールマーケティングの自動化
これまでに存在していたメール配信システムとは異なり、あらかじめ想定される見込み客の行動をシナリオ化し、設定することで、メールの送信をあらかじめ設定しておくといった運用が可能になりました。
具体的には、「すでに連絡先などの顧客情報を得ているユーザーが製品紹介のページを見た際に、製品の詳しい情報を書いたPDFを送信する」などの運用ができます。
シナリオ・スコアリングの設定
企業の規模が大きくなるにつれて、見込み客や顧客の情報もどんどん増えていきます。
そうなると、人間の手で顧客や見込み客を分類することが不可能になりますが、MAはスコアリングなども含めこの作業を自動化してくれます。
スコアリングとは、見込み客の行動を採点し、見込み度合いを数値化するものです。
具体的には、製品紹介のページに1分以上滞在したら1点や、資料ダウンロードを行ったら2点、メールに添付したURLからサイトに来たら1点などになります。
さらに、一定の点数に達すると見込み度合いが熟したとみなし、担当の営業者に知らせるといった機能もあります。
シナリオ作成機能では、「特定の行動をしたら、特定の情報の送信/見込み顧客のグルーピングランクを上げる」といったように、条件を設定しておくことで、MAのそれぞれの機能の相互関係を補完し、すべての機能を包括して設定・運用することが可能になります。
Webサイトの機能強化
Webサイトの機能強化は主に、「トラッキング機能」、「パーソナライズ機能」、「アクセスログ分析機能」の3つになります。
トラッキング機能は、見込み客がどのページを見ているか把握できるようにする機能です。
そして、パーソナライズ機能は、それぞれの見込み客の見込み度合いによって、コンテンツの出し分けをできるようにする機能です。
最後のアクセスログ分析機能は、トラッキング機能で紐づけした情報をもとに、「誰が、いつ、どのページを何秒見たか」など、個人を特定してその閲覧状況を確認することをできるようにする機能です。
これらを把握することで、見込み客や顧客の行動をより詳細に知ることができるようになります。
コンテンツの作成・管理機能
フォームやバナー、メールなどのコンテンツの作成・管理ができる機能です。
よりパーソナライズされたマーケティングには、それぞれに合ったアプローチをするために複数のコンテンツが必要となりますが、それを簡単に作成・管理することができます。
また、コンテンツが何回クリックされたのかも把握できるため、分析し改善していくといったような運用も可能です。
広告との連動・管理機能
インターネット上で広告を出した際に、その効果はどのようなものだったのか把握するための機能です。
広告のクリック率や、メールマーケティングの開封率などを見ることができるようになります。
CRM・SFAとの連動機能
CRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援システム)などの導入済みのシステムとの連動した運用ができます。
これにより、これまでCRMやSFAで取り扱ってきた顧客や見込み客の情報をそのまま利用することができます。
CRM・SFAについて詳しく知りたい方は別の記事を用意していますので、下のリンクからどうぞ!
ひと昔前には耳にすることも少なかった「CRM・MA・SFA」の3つのマーケティングツール。
現在では導入している企業が増えてきたこともあり名前を聞くことも増えてきています。
この記事では、これらの3つのツールの必要とされている背景から、それぞれの特徴、解決してくれる課題について解説します。
MAが解決してくれること
ここまで何度か説明した通り、マーケティングオートメーション(MA)はマーケティング業務を効率化してくれるツールになります。
さらにMAには豊富な機能があるため、本当に様々な課題を解決してくれます。
今回はその中でも4つに絞って、それぞれを簡単にご紹介します。
情報化社会の影響で、顧客一人ひとりに適切なアプローチを行う「One to Oneマーケティング」が必須となりつつあります。
この記事では、One to Oneマーケティングに有効なツール、「MA」を導入することのメリットや、MAが解決してくれる課題について、また、MAの基本的な部分から解説します。
マーケティング・営業担当者の工数削減
ここまで、「業務の効率化」と一口に書いていますが、この効果は非常に大きなものです。
様々なものを自動化、または効率化してくれるMAですが、その中の一つである「リードクオリフィケーションとメールマーケティング」について解説します。
まず、リードクオリフィケーションを簡単に説明すると、見込み客を見込み度合いごとに分類することになります。
これを全て人の手でやろうとすると膨大な時間がかかりますが、MAを運用しシナリオを設定しさえすれば、あとはMAが代わりに分類を行います。
リードクオリフィケーションについて詳しく知りたい方は別の記事を用意していますので、下のリンクからどうぞ!
リードジェネレーション・ナーチャリングとは?
リードのランクやサスペクト・プロスペクトも解説!
BtoBマーケティングでは、多くの企業が実践している、「リードジェネレーション」「リードクオリフィケーション」「リードナーチャリング」。この記事では、これらの言葉の意味について解説したあと、リードナーチャリングにとって非常に重要となるリードのランク分けについても解説します。
また、この分類や、さらに細かなシナリオをもとに、メールの自動送信を行えるため、マーケティング担当者はシナリオの設定さえすれば、後はMAが業務を行ってくれます。
リードクオリフィケーションとメールマーケティングは、人間の手で全てを行おうとすると非常に工数がかかりますが、マーケティング担当者の仕事はこれだけではありません。
MAを運用し、作業の効率化を図ることで、マーケティング担当者の負担を減らし、より多くの施策に取り組むこともできるようになるでしょう。
さらに、MAを適切に活用することは営業担当者の工数削減にもつながります。
MAを導入することで見込客のWeb上での行動を可視化できるため、従来の手当たり次第の営業に比べて、はるかに正確に見込み度合いを判別できるようになります。
これにより、見込み度合いの高い見込み客のみにアプローチできるようになり、営業効率の向上、延いては押し売りの減少による成約率の向上にまで繋がるのです。
見込み客のニーズを見逃さない
MAを導入・運用していなければ、見込み客にニーズが生まれたタイミングが分かりづらく、相手から連絡が来るのを待つしかない、といった状況になってしまいがちです。
しかし、その時にはすでに、他の商品と比較検討する段階に入っており、見知らぬ間に「不利なコンペ」に参加させられているような状態になっています。
MAを導入すれば、見込み客の行動を詳細に知ることができるようになるため、「不利なコンペ」に参加する前に、自分たちで手を打つことができるようになります。
見込み客との接触を見逃さない
様々なマーケティング活動で得た見込み客のコンタクトの中で、最終的に商品やサービスの購入を検討するのは、ほんの一部です。
大量のコンタクトの中から、一部しかないニーズを見出し、それぞれに対して適切なタイミングで適切なアプローチを行うことは不可能と言えるでしょう。
そのため、MAを導入していない企業の多くがしらみつぶしにアプローチをかけることで、ニーズを探し出しています。
MAはこのような課題を「見込み客の行動を分析し、ニーズを知る」こと以外で効率化することもできます。
MAを運用することで、見込み客に関する情報全般や、見込み客といつ、どこで、どんな風にコンタクトしたのか一元で管理できるため、見込み客の管理を社内全員で共有できるようになります。
そうすることで、見込み客の情報を何度も共有する手間をなくし、業務を効率化していくことができます。
また、ある見込み客がどの流通経路を辿って顧客情報獲得に至ったのかもわかるため、改善点の洗い出しなどにも有効活用することができます。
雑なアプローチで相手に嫌がられることをなくす
MAの導入は、見込み客の行動を可視化し、ニーズが生まれるタイミングを把握できるようになることにあると書きました。
これは手当たり次第、しらみつぶしのマーケティングから脱却するために、非常に大きな存在です。
しらみつぶしのマーケティングでは、ニーズの全くない見込み客に行き当たることも多く、こうなってしまうとその見込み客に悪印象を与えてしまいます。
これでは、リードナーチャリングを行うことは当然できず、新規開拓をし続けなければならなくなってしまいます。
リードジェネレーション・ナーチャリングとは?
リードのランクやサスペクト・プロスペクトも解説!
BtoBマーケティングでは、多くの企業が実践している、「リードジェネレーション」「リードクオリフィケーション」「リードナーチャリング」。この記事では、これらの言葉の意味について解説したあと、リードナーチャリングにとって非常に重要となるリードのランク分けについても解説します。
MAを導入・運用することで、この大きなマイナスをなくし、適切なタイミング・方法でアプローチをすることができるようになります。
MAを導入するメリット
マーケティングオートメーション(MA)を導入する一番のメリットは、マーケティング業務の効率化ですが、他にもたくさんのメリットがあります。
ここでは、マーケティング業務の効率化以外のメリットを3つご紹介します。
営業活動の効率化
MAを導入し、正しく運用することでマーケティング業務のみならず、営業活動の効率化にもつながります。
これまでの手当たり次第にアプローチをする営業から脱却し、選りすぐった見込み客に対してのみ営業活動ができるようになります。
また、営業活動そのものにおいても、顧客の情報の管理や、営業活動を管理できるようになることから、属人化を防ぎ、社内で簡単に共有できるようになります。
こうすることで、営業活動が効率化され、一人ひとりの見込み客に対し、より手厚くアプローチができるようになり、情報共有を徹底することで新人教育も効率化できるようになります。
リードナーチャリングを行えるようになる
MAを正しく運用することで、これまでの、手当たり次第のマーケティング・営業活動から脱却でき、見込み客をじっくりと「育てる」ということが可能になります。
リードジェネレーション・ナーチャリングとは?
リードのランクやサスペクト・プロスペクトも解説!
BtoBマーケティングでは、多くの企業が実践している、「リードジェネレーション」「リードクオリフィケーション」「リードナーチャリング」。この記事では、これらの言葉の意味について解説したあと、リードナーチャリングにとって非常に重要となるリードのランク分けについても解説します。
これまでは、受注の見込みが低いと判断された見込み客は放置され、存在が忘れ去られることも多々ありました。
しかし、MAの登場により、見込み客の管理が事細かにできるようになったことで、一人ひとりの見込み客の行動を観察し、それぞれに適したナーチャリングをする運用が可能となりました。
これにより、見込み客を獲得しその情報を蓄積していくことが大きな意味を持ち、中長期的に売上を向上する土台とすることができるのです。
案件と商談を見逃さなくなる
これまで属人的なマーケティング・営業活動を行ってきていた企業では、案件や商談の見逃しが多く存在しました。
しかし、MAを導入・運用することで、見込み客の行動を可視化、これまでには分からなかったような見込み度合いの高まりが簡単に分かるようになります。
MAとCRM・SFAとの関係
マーケティングオートメーション(MA)という言葉をご存じの方なら、同時に「CRM」や「SFA」といった言葉も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ここでは、この2つのツールとMAの違い、関係性を簡単にご紹介します。
詳しく知りたいという方は、下のリンクから詳しく書いた記事に飛べるようになっていますので、そこからご確認いただければと思います。
ひと昔前には耳にすることも少なかった「CRM・MA・SFA」の3つのマーケティングツール。
現在では導入している企業が増えてきたこともあり名前を聞くことも増えてきています。
この記事では、これらの3つのツールの必要とされている背景から、それぞれの特徴、解決してくれる課題について解説します。
MAとCRM・SFAのそれぞれの特徴
まずMAは、「マーケティングオートメーション」の名の通り、マーケティング活動の一部自動化に加え、見込み客のWeb上の行動を可視化できることが特徴です。
MAができることは非常に幅広く、CRM・SFAとの境目はどんどん薄くなってきています。
CRMは、「Customer Relationship Management」の直訳の「顧客関係管理」の言葉の通り、顧客の情報を一元的に管理できるようにするツールのことになります。
そして、SFAは「Sales Force Automation」の意訳である「営業支援システム」の名の通り、営業活動をデータ化し、共有できるようにするツールです。
途中でも書きましたが、これらのツールはそれぞれ境目が薄くなってきており、CRMと言いながらもMAのような機能や、MAといいながらもCRM・SFAの機能を含んだようなツールがほとんどになってきています。
MAとCRM・SFAのそれぞれが解決してくれる課題
MAが解決してくれる課題に関しては、本記事の「4.MAが解決してくれること」をご覧いただければと思います。
CRMは、顧客情報の管理の煩雑さ、といった課題を解決してくれます。
CRMの言葉の意味のままで、情報の入力と管理が簡単になることで、顧客情報をより詳細に蓄積していくことができるようになります。
これにより、部門間での顧客情報の共有が一瞬でできるようになり、さらに顧客自身も気付いていないようなニーズに先に気付けるようにもなります。
そしてSFAは、商談ノウハウの属人化を防ぎ、商談情報の共有の効率化など、営業活動の課題を解決してくれます。
これ以外にも、売上予想を立てたり、そのデータから「営業のコストパフォーマンス」を知ることができるなど、営業に関しては幅広い課題の解決に利用されます。
途中でも書いた通り、3つのツールは同じ領域をカバーしていることも多く、それぞれのツールの特徴は薄くなっています。
それに伴って、ツールの機能が増え、非常に複雑な操作が必要になってきていることから、MA運用代行など、MAのプロフェッショナルの需要が高まってきています。
MAの導入から運用までの流れ
マーケティングオートメーション(MA)で得られる効果は非常に大きいものですが、「導入したい!」と思ってから、即日で契約、運用を開始し、次の日から効果を得られるほど簡単なものではありません。
MAの導入・運用が成功するために、そして、できるだけ早く成果を出すためには、しっかりとした準備が必要になります。
ここでは、その準備を4つの段階に分けて簡単にご紹介します。
より詳しく知りたい方は下のリンクから別記事をご覧ください!
マーケティングオートメーション(MA)は、正しく利用することで様々な面で効果を発揮するツールですが、導入すれば勝手にうまくいく「魔法のツール」ではありません。
そこでこの記事では、MAの導入、そして運用を始めるまでにどのようなプロセスを経ていくのかを紹介します。
自社の課題の認知
一番初めに行うべきことは、自社の課題を認知し、どこがボトルネックとなっているのかの確認と、その課題はMAの導入・運用で解決できるのかを考えることです。
これができなければMAの必要性すら分かりません。
MAができること、できないことを知る
MAができること、できないことを知らなければ、自社の課題をMAの運用で解決できるのかが分かりません。
また、多くの間違いとして、「MAはマーケティング業務の全てを自動化してくれる」と考えている方がいらっしゃいます。
しかし、成果を挙げるための非常に重要な部分は、人の手で設定する必要があります。
導入する目的を明確にする
ここまでの流れで、ほとんど明確になっていると思いますが、MAができることを知ったうえで、もう一度導入する目的を明確にしましょう。
また、この時に、ツール導入・運用に関しての専任の責任者や、大まかなコストと使える人的リソースも確認しておきましょう。
最適なツールを探す
MAは様々なベンダーのものがあり、国産から外国産、場合によってはCRMやSFAといったツールの方がコストパフォーマンスなどの面で優れていることもあります。
様々なツールの中から、コスト、利用の難易度、機能などから、自社にとって最適なツールを導入しましょう。
MA導入失敗の原因
マーケティングオートメーション(MA)は導入し、正しく運用することで多くのメリットがあります。
しかし、特に何も考えず導入することで成果を得られるわけではありません。
MAについての知識がないまま運用すれば何の効果も得られずに、超高級なメール配信システムとなってしまうこともあります。
そこでここでは、失敗の原因となる4つの具体例を簡単にご紹介します。
マーケティングオートメーション(MA)について調べていると、「導入するだけでは効果はない」などネガティブな文字を見ることがあります。
この記事では、導入してからネガティブな感情にならないために、そして運用を成功に導くためのコツについてご紹介します。
作業全てを自動化してくれると勘違い
「オートメーション」という名前から、業務という業務を自動化してくれると勘違いしている人もいますが、この勘違いは大きな失敗を招いてしまいます。
MAの導入で成果を出すために重要となるシナリオ設計などの部分は、人間が設定する必要があります。
そのため、MAの運用には相応の知識が必要となります。
効果がすぐに出ると勘違い
MAは導入してから、すぐに効果が得られるものではありません。
導入によって得たデータを蓄積し・分析、それにより得た情報を活かさなければなりません。
これも正解が存在しているわけではなく、何度も試行錯誤をしていかなければなりません。
そのため、導入後、その効果が出るまでには一定の時間を要します。
部門間の連携が取れていない
MAをマーケティングの効率化のみに使用するツールだと勘違いし、部門間で連携が取れていないと、MAの本来の力を引き出すことはできません。
簡単な例としては、マーケティング部門が効率的に質の高い見込み客リストを作成したとしても、それを営業部門に正確に迅速に届けることができなければ、会社全体としてMAの効果を享受できません。
こういった事態にならないためにも、部門間の連携が非常に重要となります。
コンテンツ不足
MAを正しく運用していくことで、見込み客の行動を可視化し、適切なタイミングで適切なアプローチをすることが可能となります。
しかし、この時に、ホワイトペーパーやオウンドメディアなどがなければ、可視化できる情報が限られてしまう上、見込み客が継続してホームページに訪れなくなってしまい、存在を忘れられてしまいます。
こうならないためにも、一定のコンテンツ数が必要であることを理解しておかなければなりません。
MAの運用で成果を出すために
マーケティングオートメーション(MA)を導入・運用し、成果を出すためには大きく3つのポイントを押さえなければなりません。
ここではこの3つのポイントを簡単にご紹介します。
より詳しく知りたい方は下のリンクから別記事をご覧ください!
One to Oneマーケティングが求められる現代において、導入が必須となりつつあるマーケティングオートメーション(MA)。
この記事ではマーケティングオートメーションの運用で成果を出している企業は、どのような運用を行っているのか、その特徴をご紹介したいと思います。
自社の状況分析
これは何をするにおいても言えることですが、MAの運用で成果を出すためには特に、自社の状況をしっかりと把握しておかなければならない、ということです。
自社の状況とは、これまで行ってきたマーケティング活動とその成果、そして現在の課題とそのボトルネックについてなど、細かく自社の状況を分析することで、より具体的な解決策を導き出すことができます。
具体的な解決策があれば、次々と効果的な施策を行うことができるため、MAでそれを効率化することで、より早くその効果を得ることができます。
自社のリソース、スキル、かけられるコストを確認
自社の状況分析とほとんど同じですが、MAの運用に関して、どれぐらいの人員が割けるのか、スキルを持った人はいるのか、いくらかけられるのか、といったことをしっかりと把握しておきましょう。
実際に導入し、運用していくのに、どれぐらいのリソース、工数を使わなければならないのか確認をしておくことで、必要なリソースやスキルなどを事前に準備をすることができます。
また、これをより正確に把握するために、無料のツールを一度運用してみるというのも一つの手です。
運用サポートの必要性
ここまでも何度か書いてきていますが、MAの運用で成果を出すためには、それ相応の知識やスキルが必要となります。
そのため、これまで本格的なマーケティングを行ったことがない企業や、初めてMAなどのマーケティングツールを利用する企業は何かしらのサポートを受ける必要があります。
その中でもMA運用代行は「MAのプロフェッショナル」としての知識とマーケターとしての知識両方を持ち合わせているため、それぞれの企業にあったMAの運用方法を熟知しています。
ツールの中には、サポートもセットとして付随していることもあるため、様々なツールや運用代行などを比較検討しましょう。
運用サポートについて何か分からないこと等ございましたら、どんな些細なことでも以下のお問い合わせページからご連絡いただけると幸いです!
10. ツール比較のポイント
マーケティングオートメーション(MA)のベンダーやCRM・SFAと比較する際のポイントは、やりたい施策のために有効活用できるのかや、自社の課題の解決ができるのか、などをしっかり考えたうえで、必要な機能を見極めるということです。
MA導入で成果を出すためには、自社に合ったツールの選定が非常に重要になってきます。
これがうまくできなければ、最悪の場合、導入し運用を始めたツールを一度解約し、新たに別のツールを導入しなければいけなくなる可能性もあります。
そのため、まずはやりたいこと、解決したい課題をしっかりと認知し、そのうえでMAの機能について理解しましょう。
そうすると、具体的にどのベンダーのどの機能が自社の課題解決に役立つかハッキリとわかるようになります。
しかし、これは非常に手間のかかる作業です。
自社のやりたい施策や課題はともかく、MAについての知識の理解は、初めて目にする単語も多く、隅から隅までから理解しなければいけないため、非常に大きな労力が必要となります。
こういった時にMAのプロフェッショナルである運用代行を雇うことで、「知識を入れる」という非常に長い時間のかかる作業をすることなく、自社に適したツールの選定をすぐに行ってくれます。
ここからは、MAの中でも特に有名なものを5つご紹介します。
10-1. HubSpot
HubSpotは米国製のオールインワン型のマーケティングツールです。
世界中で利用されており、トップクラスのシェア率を誇っています。
大きな理由のひとつは、CRMが無料で利用可能であること、そして、オールインワン型でありながら、必要なツールを自分で選んでカスタマイズできることにあります。
そのため、事業規模の小さな会社から大きな会社まで全てに対応することができる柔軟性をもっています。
無料で使える機能も非常に多く、CRMの基本的な機能に加えフォームの作成やLPの作成、チャットボットの設置や営業パイプラインの管理など、幅広い機能が利用可能となっています。
10-2. マーケロボ
中小企業の中でもBtoB企業を対象としているツールで、MAとしての機能はもちろんCRMやSFAとしての機能も備えており、営業担当者が使うことを前提とした機能が多く揃っています。
どの機能もシンプルで使いやすいUI設計がされており、直感的な操作で様々な入力や設定、施策などを行うことができること、運用までのスタートがスピーディであること、そしてコストパフォーマンスの高さなどが人気の理由となっています。
プランも5つ用意されており、1万円からツールの利用が可能で、非常にリーズナブルな価格で利用を開始することができるようになっています。
10-3. SATORI
SATORIは国産のMAであり、MAの中では1.2を争うほどの国内知名度があります。
国内企業900社以上の導入実績があり、当然ではありますが、サポートを含めて全てを完璧な日本語で利用することができます。
リードジェネレーションを強化するための機能が豊富で、プッシュ通知やメール配信、スコアリング機能などが充実しています。
SATORIの大きな特徴の一つとして、「匿名ナーチャリング」というものがあります。
通常であれば、リードナーチャリングが可能になるのは、ある程度見込み客の情報を引き出した状態である「実名ユーザー」からとなります。
しかし、SATORIには実名ユーザーになる前の「匿名ユーザー」の段階からパーソナライズされたポップアップや広告を表示することを可能にする機能があります。
こういった機能により、より早い段階から見込み客への適切なアプローチを可能とすることで、効果的なマーケティングができるようになります。
10-4. Salesforce Pardot
Pardotは米国の企業「Salesforce」のMAの名称で、特徴としては「Salesforce」の他ツールとの相性が良いため、「Sales Cloud」などをすでに導入している企業が、スムーズにMAの導入を行えるということが挙げられます。
また、BtoBに特化したツールであり、BtoBではより難易度が高いとされるリードジェネレーション、リードナーチャリングの効果と効率を高めてくれる機能が多くあります。
10-5. Marketo Engage
Photoshopなどでも有名なAdobe株式会社が提供するMAで、世界的に知名度の高いMAツールです。
ソーシャルメディアやデジタル広告など、様々なチャネルに対応しているマーケティングツールで、Marketo Engageがあればマーケティング活動を完結できるということが特徴のひとつとなっています。
時間をかけて様々なアプローチを行い、顧客との関係をよりよいものにしたい企業にピッタリのMAとなっています。
10-6. BowNow
BowNowは複雑な設定や操作をしなくても利用が可能であり、一部機能ではありますが無料で利用ができることが特徴のツールとなっています。
無料で利用できる機能としては、フォーム作成やCRMと似た機能、見込み客別のWeb上のログの確認などがあります。
スコアリングやシナリオ設計の機能などは用意されていませんが、これは使いこなせていない企業が多いにもかかわらず、搭載することでコストが高くなってしまうためであるとしています。
11. 運用時のよくある課題
マーケティングオートメーション(MA)を運用してみると、今まで考えなかった課題に直面するすることがあります。
ここでは、MA運用時のよくある課題について、代表的なものを4つご紹介します。
より詳しく知りたい方は下のリンクから別記事をご覧ください!
MA運用のよくある課題とは?成果を出すためのポイントもわかりやすく紹介!
MA導入を考え始めた人の中でも「導入してから運用の難しさを知ったらどうしよう」という悩みを抱えてる方も多くいらっしゃいます。
この記事では、そんな悩みをなくすために、運用を始めてからよく起こる課題についてご紹介し、成果を出すためにはどのようなポイントを押さえなければいけないのかまで解説します。
11-1. メール内のコンテンツが尽きてしまう
MA運用を決定した多くの企業が、メールマーケティングを行いたいと考えています。
メールマーケティングを始めたころは、コンテンツをストックすることで一定の期間をやり過ごすことができますが、続けていくとどこかでストックがなくなってしまいます。
すると新しいコンテンツの作成が必要となりますが、メールマーケティングのためだけにコンテンツを作成することは難易度が高いうえ、効率的ではありません。
そのため、過去に利用したメルマガの内容を流用したり、開催したセミナーの裏話などの少し息を抜いた形のメールを作成してみることも一つの手です。
11-2. 導線設計がうまくできない
MAを導入して、様々なコンテンツを作ったとしても、その導線設計がうまくいかず、コンタクトの獲得といったコンバージョンに繋がらないことも多くあります。
メールマーケティングをする際にも、きっちりとメールのリンク先としてWebページを用意することが必要になります。
また、オウンドメディアやホワイトペーパーなどを用意する際にも、コンタクトの獲得や、サービス内容についての問い合わせなど、コンバーションを意識したコンテンツの作成が必要となります。
そのため、まずはペルソナとカスタマージャーニーを作成し、ゴールから逆算してコンテンツを作っていくようにしましょう。
マーケティングにおけるペルソナとは?基礎知識から作成方法まで解説!
マーケティング用語として利用され、耳にすることは多いものの意味がハッキリしない言葉の一つである「ペルソナ」ですが、正しい意味をご存じでしょうか。
多くの人が「ターゲット」と同じような意味で利用されていますが、実はこの2つには違いがあります。
この記事では、ペルソナの基本的な知識からターゲットとの違い、そしてペルソナ作成の重要性と作成手順についてもご紹介します。
カスタマージャーニーとは?作成する意味と重要性、ジャーニーマップの作成方法まで解説!
顧客のニーズが多様化するに連れて、マーケティングの重要性とその難易度はどんどん高くなってきています。
そんな中で注目度が高まってきている「カスタマージャーニー」という言葉をご存じでしょうか。
この記事ではこのカスタマージャーニーについて基本的な意味から、なぜ重要なのか、そしてカスタマージャーニーマップの作成手順について解説します。
11-3. 見込み客のランク設定ができていない
見込み客のランクとは、見込み客を見込み度合いごとにランク付けしたもののことを指します。
これがなければ、リードナーチャリングの質を向上させるためのPDCAを回すことが難しくなり、改善策を考えることが難しくなってしまいます。
また、見込み客のランク設定は、マーケティング戦略を考える際にも、どの層にどういったアプローチをするのか考えることができるため、MAを導入していなくてもマーケティングには必須の設定です。
11-4. MA運用についての知識と人材不足
MAの運用は、一切の知識がなくても成功するほど簡単なものではありません。
にもかかわらず、軽いトレーニングのみで内製化し運用を始めてしまう企業も多くなっています。
すると、結果的にどの機能を何に利用していいのかわからず、ツールの大部分を活用できないといった事態に陥ってしまいかねません。
また、「マーケティングオートメーション」という名前から、「自動化してくれるものだから人手は必要ない」と勘違いされる方もいますが、これは大きな間違いです。
MA運用には知識を持った人材が、シナリオ設計やスコアリング設定をする必要があります。
これらを理解しないでMAの運用を始めると、ここまで解説してきたような課題が一気にのしかかり、「MAは使えない」と思うような状態になってしまうのです。
12. MAの運用で押さえておきたいKPI
他のマーケティング施策と同様に、MAを運用していく時にはKPIを設定して運用することが重要となります。
MAのKPIについてより詳しく解説した記事がありますので、そちらも合わせてご覧ください。
MA運用におけるKPI・KGIとは?設定するメリットや設定の具体例も紹介!
マーケティング施策を行う時、目的や目標がないということはまずありえません。
MAを運用する際にも、目標を設定することが重要となりますが、その際にはKPIとKGIをうまく活用して目標設定することでより効果的なものとなります。
この記事では、MAのKPIとKGIについて設定例や設定時のポイントなどを解説します。
今回はメールマーケティングにおいて重要となるKPIについてご紹介します。
ここで紹介するKPIの指標は、ほとんどのMAツールで確認することができるようになっています。
「CV数」
設定した目的が達成された数のことです。
商品の購入や、資料請求などを設定することが多いです。
「クリック数」
送信したメールに含まれているURLがクリックされた回数がこれにあたります。
「開封数」
配信されたメールの中で開封された件数がこれにあたります。
「到達数」
送信したメールの中で、送信先に到達したメールの数がこれにあたります。
メールアドレスが変更されていたり、迷惑メールとして自動的に振り分けられると不達となってしまいます。
「配信数」
メールを送信した数がこれにあたります。
これらのKPIを見ながらどこがボトルネックとなっているのかを確認し、効率的に改善を行っていきましょう。
13. MAの効果的なシナリオ作成方法
マーケティングオートメーション(MA)におけるシナリオを作成する時には、ペルソナとカスタマージャーニーの作成が重要となります。
マーケティングにおけるペルソナとは?基礎知識から作成方法まで解説!
マーケティング用語として利用され、耳にすることは多いものの意味がハッキリしない言葉の一つである「ペルソナ」ですが、正しい意味をご存じでしょうか。
多くの人が「ターゲット」と同じような意味で利用されていますが、実はこの2つには違いがあります。
この記事では、ペルソナの基本的な知識からターゲットとの違い、そしてペルソナ作成の重要性と作成手順についてもご紹介します。
カスタマージャーニーとは?作成する意味と重要性、ジャーニーマップの作成方法まで解説!
顧客のニーズが多様化するに連れて、マーケティングの重要性とその難易度はどんどん高くなってきています。
そんな中で注目度が高まってきている「カスタマージャーニー」という言葉をご存じでしょうか。
この記事ではこのカスタマージャーニーについて基本的な意味から、なぜ重要なのか、そしてカスタマージャーニーマップの作成手順について解説します。
ペルソナを設定することで自社の見込み客を見極め、その見込み客がどのようなプロセスを通って購入に至るのかカスタマージャーニーで確認します。
そうすることで、見込み客とのタッチポイントや、感情の推移などが分かり、具体性のある効果的なシナリオの作成が可能になります。
また、シナリオは何度もより良いものへと更新していかなければならないため、最初から高度なものを作ろうとせず、まずはシナリオを作成してみて、何度もPDCAを回して、より良いものにしていくことが重要となります。
14. まとめ
今回はマーケティングオートメーション(MA)について、その意味から生まれた背景、そして導入や運用のポイントまで、広く解説していきました。
MAは非常に多くのことを利用できる、万能なマーケティングツールです。
上手に運用することで、非常に大きな効果を得ることができます。
しかし、それと同時に非常に複雑なツールでもあり、相応の知識がなければ効果を発揮することができません。
MAについての知識を深め、より効果的に活用できるようにしましょう。
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