「ビジネスを行う際には、導入が必須のツール」とまで言われることもあるSFA(Sales Force Automation)。
導入することで多くのメリットがあるために「導入が必須」とまで言われるようになっていますが、具体的にどのようなメリットがあるかご存知でない方もいらっしゃるかもしれません。
今回はSFAを導入することで生まれるメリットとデメリット、そしてSFAを運用する前に知っておくべき「SFA運用のポイント」について解説します。
SFAとは
SFAとは、「Sales Force Automation」の略で、日本語では「営業支援システム」などと呼ばれています。
これまで勘や気合いだけで乗り越えてきた営業を、再現性のあるものにし、業務の一部自動化などによる効率アップを図ることを目的としたシステムとなっています。
具体的には、営業が商談を始め、受注に至るまでの進捗状況を可視化し、営業活動の管理を行えるようにします。
そして、それを情報として蓄積していくことで、再現性のある営業へとシフトチェンジしていくことができるようになっています。
営業の業務内容は、顧客リストの作成や、テレアポ、提案書・見積書の作成、見込客への情報発信、訪問、クレーム対応など非常に幅広いものになります。
これらの中には定型業務や繰り返し起こるものもあり、SFAはその一部を自動化することによって業務効率を上げることができます。
業務効率が上がることで、空いた時間を見込客へのアプローチのための時間に割くことができるようになるため、業務に集中でき、業績アップにもつながります。
SFAの機能については別の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ下のリンクからそちらもご覧ください。
SFAの基本機能6つを解説!導入前に知っておくべきポイントも!
営業支援システムのSFAは、非常に便利なツールではありますが、テクノロジーの進化で機能がどんどん多くなっているため、どんなツールかよくわからない方も多くなってきている印象があります。
そこで、この記事ではこのSFAについて簡単に紹介した後、SFAの基本機能6つについて見ていきます。
SFA導入のメリット
SFAの導入メリットとしては大きく3つあります。
1つ目は、営業活動を可視化できるということです。
口頭や紙ベースでの共有では、細かな情報をリアルタイムで共有することが難しく、そこに課題を感じている企業も多くあります。
SFAを導入し営業情報を入力することで、営業のプロセスの細かな部分までリアルタイムで共有・保存することができるようになります。
これにより、迅速にボトルネックや課題を発見し、改善していくことが可能になります。
2つ目は、営業ノウハウの属人化から脱却できることです。
営業の事例やプロセス、そして人脈など営業活動を行うことで得られる情報は非常に有益なものが多いです。
しかし、これを営業担当者が個別で管理していると、情報を最大限活用することができず、宝の持ち腐れ状態になってしまいます。
SFAを導入することで、これらの情報を簡単に共有できるようになります。
また、営業プロセスの可視化と情報化により、どのようなアプローチが効果的なのかが簡単にわかるため、営業ノウハウの共有による社内全体のレベルアップも見込めます。
3つ目は、営業活動が効率化できることです。
SFAはスマートフォンやタブレットからの情報入力も可能となっており、入力された情報はリアルタイムで管理者に伝わります。
そのため、営業担当者が上司に状況報告を行うために会社に戻ったり、上司のタイミングに合わせて時間を作るといったことが不要になります。
ここまでSFAを導入するメリットを簡単に解説しました。
ここからは、よりメリットを明確にするために、「営業の現場」「管理者」「経営者」それぞれの目線で見たメリットはどのようなものか解説します。
営業の現場から見た具体的なメリット
営業の現場から見たSFAの導入メリットとしては、
・営業の効率化
・顧客とのトラブル防止
・次のアクションの把握
の3つが挙げられます。
1つ目の、営業の効率化はすでに何度か解説したように、業務の一部自動化と情報共有の簡易化により得られるメリットです。
2つ目の、顧客とのトラブル防止は、顧客情報を適切に管理することでこれを達成します。
例えば、前任者から引き継いだ顧客のもとへ新商品の提案へ伺った際に、クレーム対応がまだ済んでおらず、お叱りを受けてしまうことがあります。
これは顧客情報を適切に管理できていないため、情報の共有がうまくいかず起こってしまいます。
そのため、SFAを導入し、情報の管理と共有を簡単できるようにすることで、こういったトラブルを未然に防ぐことができるようになるのです。
3つ目の、次のアクションの把握は、予定の入力を行うことでアラートを鳴らしたり、SFAの種類によっては次の取るべき行動を教えてくれたりします。
また、適切な営業情報の管理を続けることで、商談のタイミングを見極める精度の向上も見込めます。
管理者から見た具体的なメリット
管理者から見たSFAの導入メリットとしては、
・営業の可視化
・売り上げ予測
の2つが挙げられます。
1つ目の、営業の可視化ができようになることで、各営業担当者ごとの業務を一目で確認することができるようになり、それを営業部内全体で共有することができるようになります。
営業管理者もこれをすぐに確認することができるため、リアルタイムで適切なアドバイスを出すことができるようになり、より多くの受注が見込めるようになります。
また、営業の可視化には営業情報を入力・管理する必要がありますが、これにより、イレギュラーをより素早く認知できるようになります。
これにより、管理者が素早く認知し、担当者にどのような指示を送るべきか考える余裕が生まれます。
2つ目の、売り上げ予測は、SFAの精度の高い売り上げ予測機能が助けてくれます。
各営業担当者の実績や、商談・活動情報などから売り上げ予測を行う機能となっており、情報の入力を徹底し、システムを運用していくほどにその精度は向上していきます。
これを活用することによって、営業担当者はより正確な売り上げ予測を経営陣に報告することができるようになるのです。
経営者から見た具体的なメリット
経営者から見たSFAを導入するメリットは、
・経営判断の精度向上と高速化
・社員教育コストの削減
の2つが挙げられます。
1つ目の、経営判断の精度向上と高速化は、SFAがデータ管理と分析を得意としているために得られるメリットとなっています。
現代のビジネスでは、これまで行われてきた勘や人々の経験則だけに頼った経営方針だけでは通用しなくなってきています。
そうではなく、データを分析し先のことを予測して方針を決定していかなければなりません。
SFAを導入することで、営業の情報を細かく可視化できるようになり、さらにそれを蓄積していくことで、経営者はその情報をリアルタイムで確認しながら方針を決定していくことができるようになります。
2つ目の。社員教育コストの削減も、SFAが営業情報の管理を得意としているために可能となります。
営業というポジションは、他部署とは異なり、見込客や顧客とコミュニケーションを直接取らなければならないため、柔軟な対応などの独特のスキルを求められます。
そのため、単純な学習では業績の向上に繋がり辛いという難しさがあります。
SFAを導入し、営業情報を蓄積していくことで、高い成績を出している営業担当者がどのような行動をとっているのか「暗黙知」まで分かるようになり、それを社内全体で共有できることで社員教育、延いては営業部全体の底上げに繋がるのです。
SFA導入のデメリット
SFAを導入することによるメリットは非常に多いですが、それと同時にデメリットについても理解しておかなければいけません。
ここではSFAを導入するにあたって、理解しておかなければならないデメリットを2つご紹介します。
コスト
まず1つ目に理解しておかなければならないのは、ツールを導入するためにはコストがかかるということです。
SFAを利用するためには、基本的に数千円から数十万円という月額を支払わなければなりません。
現在ではフリーミアムモデルを採用しているツールもあり、無料で一部の機能を利用することができるツールも存在しています。
しかし、導入してから必要としていた機能が付属していないことを知れば、またツール選定へ逆戻りしなければならず、非常に無駄な工数を割かなければならなくなってしまいます。
そうならないためにも、導入前に自社の課題分析などを行い、必要な機能は何なのかを理解した上でツール選定を行うようにしましょう。
入力の手間
SFAを有効活用するためには、営業担当者が情報を入力する必要があるため、そのための工数がかかるということはデメリットとなります。
もし仮に営業1件につき10分以上かかるような詳細な情報の入力を求めるのであれば、それなりの工数を見ておかなければなりません。
そのため、本当に必要な情報は何かを見極め、入力する情報を厳選しておくようにしましょう。
SFA運用のポイント
SFAは導入することで多くのメリットがありますが、ポイントを押さえて運用しなければデメリットばかりが目立ってうまく機能しない可能性があります。
そうなってしまうと、導入したことを失敗したと感じてしまいかねません。
ここからは、そうならないために、押さえておくべきポイントを3つ簡単にご紹介します。
まず1つ目は、SFAへの入力をいかに厳選できるかです。
デメリットの項目でも解説したように、SFAへのデータ入力は必須となりますが、いかにこの工数を少なくするかということは導入を成功に導くために非常大きなポイントとなります。
特に導入初期は操作に不慣れな面も相まって、工数が多くなってしまいがちなため、入力の数をあえて少なくするなど適切な対策を施すようにしましょう。
2つ目は、社内全体の理解を得るということです。
SFAを導入するには、コストがかかる上、営業担当者の工数も割かなければなりません。
また、それを利用した分析の時間なども必要となってきます。
しかし、SFAを導入してすぐはうまく機能しないこともあり、効果が出るまでに多少の時間を要することも多々あります。
これについて社内の理解がなければすぐに数字を求められることになり、入力をおろそかにしてでもアポや商談の数を増やそうと躍起になってしまいます。
こうなってしまうとSFAが力を発揮することは難しく、「SFAの導入は失敗だった」と思うような結果を招くことになります。
そうならないためにも、社内にSFAを導入する意図は何なのか、導入することで何が解決できるのか、そもそもどういったツールなのかをしっかりと共有し、理解してもらう必要があるでしょう。
3つ目は、データ分析の知識をつけておくということです。
「データ分析」というと、一見複雑で難解な知識が必要そうですが、ひとまずは最低限の、「データ分析をすることで何が知りたいのか」と「そのためにどのデータを集めれば良いのか」という二点のみを理解しておけば問題はありません。
とりあえずこの二点を理解した上で入力項目を決定し、PDCAサイクルを回していくことで、中長期目線でより効果的な運用方法を探していくことが重要となります。
まとめ
今回はSFAのメリットとデメリットについて、そしてSFAを運用する上で注意すべきポイントについて解説しました。
SFAを導入するメリットは非常に多く、正しく運用することで業務の効率化や業績アップなど、大きな効果を得ることができます。
しかし、デメリットについて理解し、正しい運用とはどのようなものか、そしてどうすれば正しい運用ができるのかを知っておかなければなりません。
そのため、まずは様々なところでSFAについての情報収集を行い、知識を高めていくことから始めていきましょう。
弊社では、SFAの構築や選定などの相談も承っております。
SFAについてのご質問や導入についてなど、どんな些細なことでも構いません!
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